SONYの電子ペーパー学習リモコン「HUIS」に想うこと ~タッチパネル式リモコンに必要な要素~
こんにちは。今回は先日発表会が行われたSONYの新規事業「FirstFlight」について。現在FirstFightでは3種類の製品が発表されていますが、そのうちの1つである学習リモコン「HUIS REMOTE CONTOROLLER」について掘り下げていきます。
「HUIS REMOTE CONTOROLLER」の特徴
HUISの特徴の一つは”学習リモコンであること”。学習リモコン自体は以前からあるもので、基本的には
- 複数の赤外線リモコンをひとつにまとめること。
- 従来の学習リモコンの欠点としては、各ボタンへの割り振りが面倒であること。最近では”メーカー名”と”機器種別”を選ぶだけで設定が可能な商品もある。(HUISはこの機能を搭載している)
といった特徴を持つ。今回発表されたHUISがこれまでの学習リモコンと違う点は
- ディスプレイに電子ペーパーを用いていること。
- また静電容量式のタッチパネルを搭載していること。
- 複数の異なるリモコンから自分の必要なボタンのみを選択し、自分好みのリモコンをつくれること。将来的にはパソコンアプリでのカスタマイズも可能になる予定。
の3つになります。
詳しくは以下のインタビュー記事を参照。
リモコンにタッチパネルを搭載することの欠点
上記のインタビューでも触れられているが、リモコンにタッチパネルを使うことは必ずしもメリットだけを生むわけではありません。記事から抜粋。
リモコンにタッチパネルを使う欠点は、「押したかどうか分かりにくい」ことにある。物理ボタンはカスタマイズしづらいが、パーツコストは安いし「押した感覚」がある。だからタッチパネル・リモコンはマイナーなのだ
例えば私が普段利用しているスマートフォンのアプリ「TV SideView」でも同様の問題が生じています。このアプリではテレビやレコーダーの操作をスマートフォンで出来ることがウリの1つになっていますが、”押した感覚”がないので結局普通のリモコンを使ってしまいます。
この問題に対しHUISは、振動と音を用いることで押した感覚を模擬するとしています。実際に使ってみないと分かりませんが押したことに対するフィードバックがあるのは良い事だと思います。
しかしながらタッチパネルの欠点はもう一つあると私は感じています。それはリモコンを見ながらでないと、押したいボタンを押せないことです。私がリモコンアプリ「TV SideView」を利用しなくなった大きな要因はこれによるものです。従来のボタン式リモコンが優れているのは、指触りで押したいボタンの位置がおおよそ分かることにあります。機器を操作しようとするたびに、リモコンの画面を見るのは思っているよりも面倒でした。
そうだ、タッチパネルにボタンをつけよう!!
そういえばそんな技術あったなぁ、と思い出す。アメリカのTactus Technologyという会社が開発した技術の話。
マイクロ流体を利用することで物理的なボタン感触が得られる技術です。じゃあこれをHUISにそのまま適用できるかというと、マクロ流体の経路をあらかじめ設計しておく必要があり、そのことがHUISのカスタマイズ性と相反するため難しいと考えられます。別のアプローチでタッチパネルにボタンを浮き上がらせる技術があれば面白いことができるかもしれません。