Mr.ChildrenはなぜUSBアルバムを選んだのか -REFLECTION{Naked}の考察-

今回はMr.ChildrenのNewアルバム:REFLECTIONについて書いていきます。具体的には「なぜUSBアルバムという形式を取ったのか?」についての考察になります。

先月にアルバムの発表があった時は「これ、大丈夫かな―」と思ったのですが、Amazonをはじめとした各種通販サイトで在庫がなくなってる状況を見てミスチルファンの底力を思い知らされました。私も結局予約してしまったので他人のことをとやかく言える立場ではありませんが。

2015.6.6 桜井さんの雑誌インタビューを含めて新たに記事を書きました。

k5khrs.hatenablog.jp

アルバム「REFLECTION」の概要

今回のアルバムでは2つの形態が存在し、販売パッケージとしては3種類存在します。

  1. REFLECTION{Naked} (USB,CD+DVD)
  2. REFLECTION{Drip} 初回版 (CD+DVD)
  3. REFLECTION{Drip} (CDのみ)

REFLECTION{Naked}はMr.Childrenとしてはかなり高額な9000円という値段設定になっていますが、2.REFLECTION{Drip}が同梱されているので、複数のパッケージを買う必要がなく、コアなファンは1.REFLECTION{Naked}を買えば全て揃うという点は良心的。

またREFLECTION{Naked}とREFLECTION{Drip}の違いとして前者は23曲入りのUSBアルバム、後者は14曲入りのCDアルバムとなっている点が挙げられます。{Drip}の収録曲はその名の通り{Naked}から抽出された楽曲となっています。抽出されなかった9曲が”捨て曲”と思われても文句を言えなさそうな状況ですが、このうち3曲にタイアップが付いているあたりどういう扱いをされている曲たちなのかはよく分かりません。(タイアップはまだ増えるかも?)

USBアルバムに対するファンの反応

アルバムの発表後、「なぜUSBなのか?」という意見がSNS上で出ていました。これらの意見はおおよそ以下の2つに分類できます。

  1. CD二枚組にすればよいのでは?論
  2. ネット配信はしないの?論

それぞれについて自分の推測を交えながら考察をしていきます。

[考察] 1.CD二枚組にしなかった理由

Mr.Childrenの公式HPではREFLECTION{Naked}にUSBアルバムを選択した理由を次のように述べています。

CD収録可能時間を はるかに超えた全23曲を「1枚のALBUM」として収録する方法を模索し、辿り着いたのがこの"USB"である。

 またファンクラブサイトには少し別の書き方がなされています。

「全23曲を、1枚のアルバムとして聴いてほしい」その想いを実現するため、何度もミーティングを重ね、USBという方法を選びました。 

 二枚組にしなかった理由はこれが答えとみていいでしょう。あくまでも23曲を”続けて”聴いてほしいために、CDのディスク交換は不適と判断されたと解釈するのがよいかと思います。ただiTunes等を利用して音源をPCや音楽機器に取り込むユーザが多いと考えられるので、仮に2枚組で販売してもユーザは1枚のアルバムとしては聴けるよね、というのが個人的な意見。

[考察] 2.ネット配信を使わなかった理由

現在”ハイレゾ音源”の登場を契機として各種音楽配信サービスが再び注目を集めています。REFLECTION{Naked}にもこのハイレゾ音源(wav,96kHz/24bit)が収録されているため”配信でもいいんじゃないのか”という意見が挙がっていました。配信がアナウンスされていない事についてはいくつかの可能性があります。

  • 幅広いリスナーへの配慮
    Mr.Childrenのリスナーは、年齢層が広く男女の偏りは少ないと考えられます。このような幅広いリスナーに対してハイレゾ音源を体感してもらいたいと考えると、技術的なハードルを下げなくてはなりません。例えば配信でハイレゾ音源を買う際、固定回線の確認→サービスのアカウント取得→ダウンロードという流れになります。慣れている人にとっては困難な作業ではありませんが、デジタル関係に疎い層にとってはおそらく一大事。パソコンあるけど古くてホコリかぶってるとか、固定回線まだADSL使ってるよとか、このアカウントのパスワード忘れたとか、まぁいろいろと躓きポイントはありそう。少なくとも物理的なメディアに収録して販売すれば、この手の問題はクリアできるという判断かと思われます。実際にユーザーがハイレゾ再生をできるかはまた別の話。
  • 音楽配信の準備中?
    現在、Mr.Childrenは一部のシングルを除き音楽配信を行っていません。仮にREFLECTION{Naked}もしくはREFLECTION{Drip}を配信したとすれば、これまでに発売した既存楽曲の配信がリスナーから期待されるでしょう。この場合、楽曲を小出しにするよりもサザンオールスターズのように”全曲配信”として方が話題性は高くなります。あくまで可能性の話ですが、Mr.Childrenが本格的な音楽配信を始めるための準備をしている段階であるために発表をしていないだけかもしれません。この辺りはレコード会社の意向もあるため完全に空想の話。確かな情報筋などあるはずもない…。

まとめ:それでもなお残る疑問

REFLECTION{Naked}がUSBアルバムという形態を取ったことについて、個人的な推測も混ぜつつ考察を行ってきました。しかしながらなお残る疑問として、{Drip}と{Naked}はどちらがメインなのか、という点があります。

{Naked}をメインとしてコアなファン以外の多くのリスナーにも聴いてもらうならば価格設定は低く、{Naked}をCD2枚組にして販売すべきだと思います。そのうえで上位版にハイレゾ音源を収録したUSBメモリ or ダウンロード用コードを付けるという方がベターではないでしょうか。また{Drip}と{Naked}の曲順が異なる点も気になります。例えば「未完」という楽曲は{Drip}では1曲目なのに対し、{Naked}では23曲目になっています。

釈然としない感じですが、アルバム聴いたら何かわかるのかもしれません。それでは。