過去のライブMCから考える”スキマスイッチ騒動”

先週、ずいぶんと話題になったスキマスイッチが料亭をdisったとされる案件(スキマスイッチ騒動)について、すこし書きます。

スキマスイッチのライブは何度か足を運んだことがあるので、そのときのMC内容等を含めて今回の発言に至った経緯を考えてみたいと思います。

スキマスイッチのライブツアーについて

話を始める前に、スキマスイッチがどのようなライブツアーを行っているかについて話しておきます。

  • TOUR'05 “全国少年”:21会場
  • TOUR'07 “夕風トラベル”: 34会場
  • TOUR'10 “ラグランジュポイント”:33会場
  • TOUR'12 “musium”:29会場
  • TOUR “DOUBLES ALL JAPAN”:51会場(47都道府県ツアー)
  • TOUR'15“SUKIMASWITCH”:28会場 <予定>

以上が、過去のアルバムが発売された後のホールツアーの一覧です。節目となる年にはアリーナツアーや武道館公演などもありますが、スキマスイッチのライブ活動としてはホールツアーが一般的です。そして数を見て分かる通り、かなり多くの本数をこなしています。となると必然的に都市圏以外の地域での公演も多くなります。ここが今回の騒動を考える上で1つの重要な点になると思います。

ライブツアーにおけるMCついて -スキマスイッチの場合-

ライブ中のMCと言うのは、アーティストにとってそれぞれ異なるものです。例えばほとんど喋らずに、弾きっぱなしで終わるアーティストがいれば、歌うよりむしろ喋ってる方が長いんじゃないかと言うアーティストもいます。またMCの長さとは別に、MCの中身もアーティストによって異なります。前回記事に書いたMr.ChildrenのMCはおおよそ”こういう内容を話す”というのが決まっていることが多いです。もっと言うという台詞もほぼ決まっているんじゃないかと思います。

それに対してスキマスイッチのMCは、割と話すことを決めていないことが多いように見受けられました。”これは言おう”と決めているものもあるけど、その時の会場の雰囲気やお客さんの反応をみて話をしていこう、という感じでした。アーティストからの一方的な話しかけ、というよりはお客さんを含めたフリートークのようなものをイメージしてもらえればいいかと思います。実際過去に足を運んだライブではお客さんが言った事に対してちゃんとリアクションを返してくれるし、質問であればそれに受け答えしている場面をよく目にしました。

発言に至った流れ

今回の騒動で問題視されたことの要因のひとつに”店名を挙げた”ことがあります。なぜ、わざわざ店名を挙げたのか?という問いがあると思いますが、この答えはシンプルなものでしょう。お客さんとの距離を近づけようとしたから。

秋田県でのライブはスキマスイッチにとってDOUBLES ALL JAPANツアーに続いてまだ2度目であり、当日券が販売されるくらいには集客が厳しかったものと考えられます。まとめに挙がっていたTwitterのライブレポからは、初めてスキマスイッチのライブに来られた方が多かったようです。それこそ家族に連れてこられたという方も多いでしょう。

こうした状況の中で、その地域における固有名詞(店名、地名)を出すことは、ライブに来ている観客からすると親近感が湧く話になるわけです。これは地方をまわるホールツアーならではであり、初めて来た人・誰かに連れてこられた人に対する配慮としても使えるわけです。曲で楽しめなくてもトークで楽しんでもらえれば、という配慮。

自分が過去に行った栃木県のライブでは、MC中に宇都宮餃子の店として有名な”みんみん”の名前を挙げていました。実際、”あそこの店行ったんだー”っていう感じでお客さんの反応は良かった。固有名詞こそ出てこないものの、埼玉県・川口でのライブでは、鍵盤の常田さんが昔に川口でバイトをしていた話なんかもしてました。

まとめ -まだツアーは始まったばかり-

すべて自分の主観 / 推測でしかないから全部間違いで、スキマスイッチが”本当にその店をディスろうとして店名を出した”可能性も無くはないですが、あの歯切れの悪い謝罪文から見るに、そういう意図はなかったのでしょう。火消しとしてはあまりいい文章ではないですよね…。ただ、お店の方が精神的にダメージを受ける事態になってしまったわけなので、今後のライブMCは慎重にならざるを得ないでしょう。ツアーはまだまだ序盤なので、最終公演まで滞りなく進められるよう頑張っていただきたいところです。

 

補足:今回の騒動で気になったこと

スキマスイッチに対する世間のイメージの多くが「アフロ」「全力少年」の2つで構成されていたこと。アフロについては、かなり前に辞めています(2007年?)。全力少年はなんやかんや10年前の曲になります。世間のイメージを変えるって大変ですな。